ロケットまつり32行ってきた

今回は、テポドン2。
簡単に概略を箇条書きで。

  • 今回打ち上げられたのは、間違いなく人工衛星。飛行経路も衛星のためのもので、弾道ミサイルのものではない
  • 失敗は第3段の分離かエンジンのトラブル。1、2段目は成功している
  • 今回成功した範囲の技術で、ICBMを作ることは可能。ただし、実戦では役立たない
  • テポドン2がどのような経歴で開発されたものか、正確なところは不明。全段液体燃料ロケットであることは間違いないが、構成の詳細もわからない
  • 初代テポドンはロシア由来、今回のテポドン2は、中国由来の技術を基盤にしていると推測される
  • 前回のテポドンから11年も時間が開いたのは、基盤技術をロシアから中国に切り替えたためと考えると、説明しやすい
  • 北朝鮮は、打ち上げ予告を行っただけでなく、予告と前後して、宇宙条約にも加盟している。明らかに、本気で衛星を打ち上げるつもりだったとしか考えられない
  • ロケットの打ち上げ時刻が実際とずれていたり、失敗したにも関わらず、北朝鮮側は成功と称しているのは、始めからそのようなシナリオが用意されていたからではないか?
  • 日本のマスコミのテポドン2に関する分析の大半は、的外れ。たとえば、打ち上げ直後の衛星写は斜め上に飛行しているように見えるため、北東に打ち上げられたと解説した人がいたが、写自体が斜めから見たもののため、そう見えているに過ぎない。実際には東に飛んでいる
  • テポドン2自体は、日本にとっては脅威ではない。よほど絶妙なタイミングで失敗するか、意図的に日本に落とすような機構を装備しない限り、日本に落ちる軌道を取ることはない
  • ノドンの方がずっと危険。日本全域を射程に収めており、量産も可能で、コストも安い。にもかかわらず、注目されていない

テポドン2についてはこの程度だったが、日本の情報収集能力の浪費ぶりと、マスコミの駄目さが際だつ内容だった。
韓国では、テポドン2のニュースにはほとんど反応していなかったらしいが、状況から考えて、韓国の反応の方が妥当と考えられる。